第7章 相続税申告・納付

相続税納付義務

子供は、それぞれ97万5千円となったので、被相続人の死後10ヶ月以内に税金を納付する必要があります。

    では、相続人Aは納付期限までに納付したが、相続人Bが納付しなかった場合、どうなるでしょうか?
    税務署は相続税を支払わない相続人Bに督促状や督促の電話により納税を促します。それでもダメな場合は財産の差し押さえに動くでしょう。それでも回収のめどが立たなかった場合は、どうすると思いますか?
    他の相続人Aに「相続税の連帯納付義務のお知らせ」が送られてきます。これに相続人Aが応じなければ、今度は督促状という形で、相続人Bの滞納している相続税額と延滞税を直ちに支払えと来ます。これが相続税の連帯納付義務です。
    なんとも非情な制度です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

各人ごとの相続税額の計算

  相続税の総額を、財産をもらった人の課税価格に応じて割り振って、財産をもらった人ごとの税額を計算します。

  今、配偶者が全遺産の4割、子供が3割づつ相続したとします。この比率で、相続税総額325万円を按分します。配偶者130万円、子供97万5千円づつになります。

 しかし、この額が各人の相続税額になるわけではありません。この金額から各種控除(該当する場合だけ)を引くことができます。

(税額控除額)

 相続税の計算をする場合、税額控除といって、税額を減少させることができる場合があります。今の場合では、配偶者控除を適用すると、配偶者の税額を大幅(税額は0)にすることができます。

 これを適用すると、各相続人の相続税は次のようになります。

 配偶者・・・0円

 子供・・・それぞれ97万5千円

| | コメント (0) | トラックバック (0)

相続税の総額の計算

①先に計算した各人の課税価格を合計して、課税価格の合計額を計算します。
 ここでは、被相続人の財産は1億円だとします。

②課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いて、課税される遺産の総額を計算します。
 基礎控除額は、5,000万円+相続人の数で計算します。
 今、相続人が妻、子1人とすると、基礎控除額は7,000万円となります。

 課税される遺産の総額は次の式で計算されます。

Image04_2

  (注)
1 法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとして計算する。
2  法定相続人のなかに養子がいる場合の法定相続人の数は、次のとおりとなります。
(1)  被相続人に実子がいる場合は、養子のうち1人までを法定相続人に含める。
(2)  被相続人に実子がいない場合は、養子のうち2人までを法定相続人に含める。

この結果、今の例では、1億円-7,000万円=3,000万円が、課税遺産総額になります。

③上記で計算した課税遺産総額を、各法定相続人が民法に定める法定相続分に従って取得したものとして、各法定相続人の取得金額を計算します。
④上記で計算した各法定相続人ごとの取得金額に税率を乗じて相続税の総額の基となる税額を算出します。
⑤上記で計算した各法定相続人ごとの算出税額を合計して相続税の総額を計算します。

③から⑤までを計算すると、結論だけ述べれば325万円になります。これは、課税遺産総額3,000万円に対する相続税総額です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

各人の課税価格の計算

  まず、相続や遺贈及び相続時精算課税の適用を受ける贈与によって財産をもらった人ごとに、次の式で課税価格を計算します。

Image02

(相続資産)
 被相続人(故人)が死亡時に持っていた財産です。これには、土地、家屋、株式、預貯金、現金、貴金属、自動車、電話、家財道具等が含まれます。
 ただ、香典は喪主が受け取ったものと思われますので相続財産にならない上、社会的慣習であることから課税されません。

(みなし相続資産)
 被相続人が死亡時持っていた財産ではないが、相続財産に準じるものなので、課税対象としているもの。例えば、退職金、生命保険などです。

(非課税資産)
 相続資産だが、非課税となっているものをです。例えば、墓所、仏壇、相続資産から国・特定の公益法人への寄付額などです。

(債務・葬儀費用)
 被相続人が負っていた債務・葬儀費用は相続資産から控除されます。

(前3年間に行った贈与)
 相続税回避のために、生前贈与が行われることがありますが、これを許すと課税上不公平なので、死亡前3年間に行った贈与額は、相続財産へ加算します。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

相続税計算の流れ

 まず、相続税がどのように計算されるのか、概要を述べます。

(各人の課税価格の計算)
まず、相続や遺贈及び相続時精算課税の適用を受ける贈与によって財産をもらった人ごとに、課税価格を計算します。

(相続税の総額の計算)
①上記で計算した各人の課税価格を合計して、課税価格の合計額を計算します。
②課税価格の合計額から基礎控除額を差し引いて、課税される遺産の総額を計算します。
③上記で計算した課税遺産総額を、各法定相続人が民法に定める法定相続分に従って取得したものとして、各法定相続人の取得金額を計算します。
④上記で計算した各法定相続人ごとの取得金額に税率を乗じて相続税の総額の基となる税額を算出します。
⑤上記で計算した各法定相続人ごとの算出税額を合計して相続税の総額を計算します。

(各人ごとの相続税額の計算)
相続税の総額を、財産をもらった人の課税価格に応じて割り振って、財産をもらった人ごとの税額を計算します。

(各人の納付総額の計算)
  各相続人等の税額から各種の税額控除額を差し引いた残りの額が各人の納付税額になります。

Image01

| | コメント (0) | トラックバック (0)

本章の意図

 相続税申告の計算・申告書の作成は税理士にやって貰うことが一般的ですが、相続人としてもどう計算されるのか知っておく必要があります。相続人として一般的なことを知っていれば、税理士と話をしても、税理士が何をやっているのか分かるので、コミュニケーションが取りやすくなります。

 

税理士に任せたのはいいが、税理士が何を言っているのかよく分からない、節税策の意味が分からいということも聞きます。税理士としては、ごく一般的だと思っても、納税者からみると初めてなので、分からない。こういうケースがしばしばあります。

 細かい細部までは分からなくてもいいのですが、何をやっているのか、ニュアンスだけ分かればいいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)