第6章 10ケ月まで 

相続登記にかかる費用

  登記にも一定の費用がかかります。

   1. 登記事項証明書代 数千円
   2. 戸籍、住民票、評価証明書代 数千円
   3. 登録免許税 固定資産評価額の1,000分の4

 例えば、固定資産税評価額が、土地7,600万円で、建物が3,200万円だとすると、合計で10,800万円となり、これに1,000分の4を乗じた432,000円が登録免許税となります。 

   4.司法書士に依頼した場合
 司法書士に依頼した場合は、報酬として3~6万円ほどかかるようです。 ただし、相続人の数や、不動産の数や価値、また権利関係の複雑さに応じて加算されるのが普通です。

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登記に必要な資料

  登記に何が必要かは、依頼した司法書士が指示してくれますが、大まかな説明をしておきます。
 まず、登記申請書が必要ですが、これは司法書士が用意します。Image02

 この他に、次のものが必要です。
( 登記原因証明情報)
 相続があったことや相続人が誰であるかなどを証明する書面 のことをいいます。
・    被相続人の戸籍謄本、改製原戸籍、 除籍
・    相続人の現在の戸籍
・    遺産分割協議書(印鑑証明書も添付します)
遺言書がある場合は遺言書

なお、遺産分割協議書や遺言書は、原則として返却されませんので、 返却を希望する場合は、それぞれコピーを1部添付して「原本還付」の手続きをする必要があります。

(住所証明情報)
 相続人の住所を証するため、住民票を添付します。

(固定資産税評価証明書)
 登録免許税を算出するために、固定資産税評価証明書を添付します。

(相続関係説明図)
 相続関係説明図とは、被相続人の相続関係をまとめた一覧の図です。相続登記の申請において、相続関係説明図を提出すると、 戸籍、原戸籍、除籍謄本などを登記完了後に返却してもらえます。  

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登記の流れ

 物件の所有形態や権利関係が複雑だったりと、ちょっと複雑になってくるとこれは時間のない素人には正直ムリです。その時は司法書士などの専門家に依頼するといいでしょう。専門家に依頼するとしても、どのように登記がされるか知っておく必要はあります。司法書士から必要書類を依頼されても何のために取っているか分かるし、また、今何をしているか分かります。
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遺産分割協議書の押印

 遺産分割協議書に各相続人の実印を押してもらいます。遺産相続協議書は複数通作成したり、複数の頁にまたがる物を作成するために、印を押すべきところに押印漏れが発生します。
 押印のないものは無効になるので、押印漏れの無いように注意しましょう。

 また、遺産分割協議書は2枚、3枚に及ぶので割印を押すことがありますが、この割印の押し忘れもないようにしましょう。

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相続人を除外した協議書

  相続人が多かったり、他家に嫁いでいた場合、うっかり相続人を除外してしまったり、行方不明の者を除外して、遺産分割協議書を書いてしまうことがあります。しかし、遺産分割協議全員で行わなかった場合、その遺産分割協議は無効になります。こういう場合、改めて遺産分割協議書を作成し直すことになりますので、注意が必要です。

   他家に嫁いでいた場合は遠隔地だとしても、判子をもらったりするのはできますが、行方不明者はどうするのでしょうか? 実は、行方不明者については、家庭裁判所に「財産管理人」の選任を申し立て、この人に代理人になってもらい遺産分割協議を進めます。

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遺産分割協議書(不動産)

 不動産に関しては、後日、登記をします。遺産分割協議書に不備があると、登記所で受け付けてもらえず、再度、遺産分割協議書の作り直しということもありえます。
   このようなことが起こらないように、次の点に気をつけます。

◎建物の場合
(1)所在            (2)家屋番号        (3)種類
(4)構造            (5)床面積

◎土地の場合
(1)所在             (2)番地              (3)地目
(4)地積

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遺産分割協議書(預金)

 普通の人は、預金を複数持っています。そのため、預金一式と遺産分割協議書に記載しても、預金を特定することはできません。このような場合、遺産分割協議書は作り直しになります。というのも、このような遺産分割協議書では金融機関は取り扱ってくれず、預金の払い出しに応じない可能性が高いからです。

   このようにならないために、次の5点はキッチリと記載しましょう。
  (1)金融聞名
  (2)支店名
  (3)口座の種類
  (4)口座番号あるいは証書番号
  (5)最終残高(相続発生時の残高)

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遺産分割協議書

  遺産分割協議が整えば、遺産分割協議書を作成します。遺産分割協議書の作り方、書き方に欠陥があれば、無効になりかねません。注意して作成して下さい。

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遺産分割協議書を作成する場合、最も注意すべきが分割の対象となる財産を明確にすることです。よく預金一式などと書く人もいますが、これでは何銀行、何支店、口座番号は何、金額はいくらという肝心なものが分かりません。そのため、預金一式と書いてあれば、銀行から故人の預金の引き出しを拒否されるかもしれません。

 

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それでもまとまらない

親戚の長老格に相談しても、分割案がまとまらない場合には、家庭裁判所の調停か審判によって分割してもらうようになります。

【調停】
  調停は相続人全員を相手に、家庭裁判所に申し立てます。裁判官1人、2人以上の調停委員が共同相続人同士の話がまとまるように、指導します。
  この結果、話合いが上手く行けば結論を調停書に記載して、調停が成立します。

【審判】
 審判は調停が不発のときになされるもので、「裁判」です。ただし、家庭裁判所で行われるので非公開でなされます。そのため、傍聴人はいません。  

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分割協議がまとまらない

 遺産分割協議がまとまらないときには、まず、親戚の長老格、つまり、 お爺さん、お婆さん、おじさん、おばさんに相談してみましょう。
 双方の顔が立つような解決策をだしてくれるかもしれません。案外いい案を思いつくことがあります。
 兄さんは母親の面倒を見ることを前提に、実家の土地・山林を、妹は株券をなどとアドバイスしてくれるかもしれません。 

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遺産分割協議のノウハウ③

 遺産分割協議でトラブルになるケースに、他家に嫁いだ人からクレームが来るということがあります。よくよく話を聞いてみると、兄は実家の家を継いでかなりの遺産を受けたのに、私は30万円しか貰っていないというのです。
 確かに、一方は多額の資産を受けているのに、嫁いだ人には少額の遺産分割しか行っていません。

 他家に嫁いで平安に暮らしているのだから、あまり遺産分割は要らないうだろうと、実家の方では考えるケースも多いのですが、これはトラブルの要因になります。故人の財産、特に預金残高にもよるのですが、各家庭で「大金」と感じる100万円単位の遺産分割をしてやる必要があります。他家に嫁いだ人も親の遺産は、いざというときに使いたいという気持ちがあります。これを汲んでやる必要があります。

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遺産分割協議のノウハウ②

遺産分割で現金・預金をもらう人がいます。例えば、A子さんは1,000万円もらうことになったとします。この1,000万円は他の相続人がいる前で、A子さんに手渡ししてはいけません。というのも、この1,000万円を見た他の相続人が、現金を見たとたん「私も現金がいい」と言いだしかねないからです。
  こういう事を言い出す人も、理屈の上では遺産分割がなされて、自分もそれなりのものを相続したのは分かっていますが、やはり、現金を見ると弱くなってしまいます。

  現金・預金をもらう人には手渡しでなく、振込で対応する方がいいです。

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遺産分割協議のノウハウ①

遺産分割は、相続で最もトラブルになりやすいものです。トラブルの要因の一つは、相続人間での遺産分割に納得がいかないというものです。
トラブルになったケースをみてみると、もう少し上手く交渉すればいいのにと思うこともあります。
そういうケースの中で、「金額評価」を示さなければ、トラブルが回避できたものがあります。
次の例を考えてみましょう。被相続人には、子が2人いて、一人は親と母親と同居していた長男です。もう一人は他家に嫁いだ妹です。この家の財産は、自宅(建物・土地)と預金1,500万円です。
   この場合、長男は自宅を相続し、妹は預金を相続すると提案したら、通るでしょう。   Image01_2   

   一方、自宅を金額で評価して、自宅4,100万円(建物600万、土地3,500万円)は長男、預金1,500万円は妹と提案したら通るでしょうか? トラブルになるかもしれません。妹の方が圧倒的に不利だからです。
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   相続の解決案としては、自宅は今住んでいる人が相続し、他家に嫁いだ人は金銭で分割を受けるのが、穏当な解決策だと思います。金銭で評価して分割案を提示すると、トラブルになりやすいので、相続人には土地、建物、自家用車等物品の名称を示して交渉するのがいいと思います。

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借金が多かった場合

財産調査、負債の調査をした結果、負債が多いときにはどうすればいいでしょう?

解決策は、2つあります。
①財産が将来値上がりするようなもので、負債の弁済が可能な場合
 こういう場合には、相続した方がいいでしょう。仮に借金が多くとも、将来資産の値上がりが期待できるので、相続した方が将来的には得でしょう。ただ、相続人は借金を負担することになるので、注意してください。

②財産が将来値上がりしないもの、または、負債の弁済が不可能な場合
 この場合、相続放棄した方がいいでしょう。相続放棄についてはここを見てください。

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遺産分割でもめるもの

遺産分割のトラブルで多いのが ①不動産と②事業の相続です。

  ①不動産の相続は、都市部では土地の価格が上昇して、相続財産に締める不動産の割合が大きくな り、誰が不動産を取得するかでトラブルになります。
 不動産を取得したときに、かなりの財産を相続しますが、その反面、それ以降固定資産税等各種の 税金も負担することを覚悟しなければいけません。

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  ②故人がお店や会社を経営していると、誰がその事業を継ぐのかトラブルになることがあります。事業を継いで上手くやれる人が継ぐのがいいでしょう。親子で同じ商売をやれば流行ると思われがちですが、実態は違います。親から子へ相続で代替わりすると、親のお客さんは半分は他の人へ流れていきます。親の顧客と同じ数を維持しようと思えば、子は流れた客を取り戻す必要があります。これができる人が商売の相続をした方がいいでしょう。

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遺産分割の目安

 遺産分割は相続人同士で納得のいくまで相談されることが必要です。しかし、遺産分割では、法定相続分を主張し、各相続人均等を主張する人もいます。かなり厳しいことを言う人の要求に応えるために、親が住んでいた家・土地を売却し、そのお金を1円単位まで均等に分割するケースもあるそうです。

 これでも遺産分割は成立しますが、これでは、親が苦心して取得した土地・家は残りません。第三者としてみると、いい相続だとは思えません。

 遺産分割として、次のように考えて分割をされればいいのではないかと考えています。
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遺産分割協議

 相続でトラブルになるのが遺産分割協議です。相続人間で喧嘩になることもありますが、冷静に交渉していくことが重要です。

(協議に参加すべき人)
 遺産分割協議は相続人全員が参加する必要があります。正当な理由亡く相続人が一人でも除外された場合は、分割協議自体が無効になるので注意してください。A子は嫁に行ったから、田舎に残っているB男、c雄で決めればいいや、ということでは困ります。
 なお、相続放棄をした人相続欠格事由のある者は、相続人になれないので、ここでいう正当な理由に該当します。従って、遺産分割協議には参加できません。

(代理人)
 「遺産分割協議で口を挟むと兄から怒られる」と言って、代理人を立てようとする人がいます。特に相続人が地方に散らばっている場合、この傾向が強いようです。
 しかし、遺産分割協議では代理人を立てずに、自分が出席して納得する必要があります。こうすれは、後でシコリを残さないで済みます。
 万一、代理人を立てる場合、他の相続人(例えば、兄)を代理人にすることはできません。というのは、兄は利害関係者なので代理人にはなれません。利害関係のない第三者(相続人になっていない親戚等)を立てる必要があります。

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財産調査の対象とならないもの

次のものは財産調査の対象となりません。というのも、誰が相続すべきものか決まっているからです。ただ、このうち生命保険金は、相続税の対象となるので、税理士に該当する書類を提示する必要があります。

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債務の調査

次に債務(借金等)を把握します。債務がいくらあるのか把握しないと、被相続人の財産を把握できません。資産が1億あったと思っても、借金が1億5千万あれば、結局故人の財産は5千万の借金ということになりますね。 資産だけでなく、債務の調査も重要になります。
  さて、債務の調査は次のように行います。

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財産の概算評価

   後に述べる、遺産分割協議のノウハウ①とは話は矛盾するのですが、相続人から「故人の財産はいくらなんだ。概算でいいから知る方法を教えて欲しい」と言われることもあるので、記述しましょう。
  ただ、この方法は、概算値しか出ませんので、相続税を納めるときには税理士相談して正確な数値の計算を依頼して下さい。この方法は相続税法が規定している方法ではありませんので、この方法で申告書を作成すると誤りになるので注意してください。 

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故人の財産調査

 まず、故人の財産がどうなっているのか調査します。相続人といえども、故人の財産がいくらなのか把握していないのが普通です。故人の預金はいくらか、株でいくら持っているのか、知らないのが普通です。亡くなってから、金庫を整理したら、預金通帳や証券会社との取引記録を見て、初めて全容が分ったということも珍しくありません。

  被相続人の財産は次のように調査します。
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相続の手続

 早ければ49日法要が済んだあたり、遅くとも準確定申告(死後3ヶ月)が済んだ頃から、故人の遺産分割・相続の協議を始めましょう。
 遺産分割・相続の手順はつぎの通りです。

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 まず、故人の財産・債務(借金等)が確定しないと遺産分割ができないので、故人の財産・債務(借金等)の調査から始めます。

 その後、相続税計算のために、財産の評価を税理士に依頼します。
 民法の規定で、法定相続分が規定され、皆さんこのことをよくご存なようで、「相続は公平に」と最初は考えるようです。しかし、相続人の状況を見ると、「 兄は農家を継ぐので田舎の土地は兄貴が継ぐ、嫁に行っ妹は田畑を相続しても面倒が見切れないので、金額は少なくとも預金を欲しい」という要求がでます。
 こういう要求がでるので、実際の相続は金額的に公平ではありません。相続人の意向を汲むと、実際は不公平な遺産分割が行われています(相続人が承諾しているので違法ではありません)。
 故人に一定の財産があれば、相続税の申告が必要なので、、財産の評価を税理士に依頼します。しかし、この評価は「相続税計算のためだ」と考えた方が良いです。よく、財産評価をしたら、相続人間で「不公平が生じている」と言って、トラブルになるケースがあります。こうならないように、税理士の財産の評価は、相続税計算のためだと心得ていてください。

 誰に何を相続させるか決まったら、遺産分割協議書を作成します。これに基づいて、不動産等の登記を行います。

 最後に相続税を納付すべきであれば、相続税の申告・納付を行います。これは、期限があって、死後10ヶ月以内に行う必要があります。

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