準確定申告(事業者)
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準確定申告は、確定申告と同じように行えば、大体は間違いなくできます。しかし、次の点は準確定申告に独特なので、注意が必要です。
【準確定申告における所得控除の適用】
①医療費控除の対象となるのは、死亡の日までに支払った額です。死亡した時に入院していて、その入院費を死亡後に支払っても含めることはできません。
②社会保険料、生命保険料、地震保険料控除等の対象となるのは、死亡の日までに支払った額です。
③配偶者控除や扶養控除等の適用の有無に関する判定(親族関係やその親族等の1年間の合計所得金額の見積り等)は、死亡の日の現況により行います。
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準確定申告は次の手続で税額を計算します。
はじめに、「収入金額」(注1)から「収入から差し引かれる金額」(注2)を差し引いて、1「所得金額」を求めます。
次に、所得金額から「所得から差し引かれる金額」(注3)を差し引いて、2「課税される所得金額」を求め、これに税率(注4)を乗じて、3「所得税額」を求めます。
最後に、所得税額から「税金から差し引かれる金額」(注5)を差し引いた金額が、4「申告納税額」です。
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(注1)
「収入金額」とは、次のものなどをいいます。
○ 給与所得者の場合には、給料など
○ 国民年金法等に基づき支払を受けた年金など
○ 生命保険契約等に基づき支払を受けた一時金
(注2)
「収入から差し引かれる金額」とは、次のものなどをいいます。
○ 給与所得控除
○ 公的年金等控除
○ 支払を受けた一時金に対して支払った保険料又は掛金
(注3)
「所得から差し引かれる金額」とは、次のものなどをいいます。
(注4)
所得税の税率は、分離課税に対するものなどを除くと、5%から40%の6段階に区分されています。
課税される総所得金額に対する所得税の金額は、次の速算表を使用すると簡単に求められます。
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確定申告は何とか書いているから、準確定申告も似たようなものだから、何とかなるさと思わないで下さい。確かに、準確定申告は下の図のように、確定申告の用紙を使い、大体、確定申告と同じ手続を踏みます。
しかし、準確定申告は、確定申告にない、「確定申告付表」を付けます。これがくせ者です。何がくせ者かというと、相続人が何人いるのか、被相続人の相続資産はいくらなのか、概略税務署は判断できるからです。
この例だと、国税良子は3,500万円、国税一郎は1,750万円、国税二郎は1,750円、計7,000万円が課税標準額(予定)だなと分かります。
このように、課税対象になりそうな人を、ピックアップして、故人の死後5ヶ月位に、お尋ねと称して書類を置っきます。これを送ってこられた相続人は、税務署に相談に行き、どうしたらいいか尋ねます。こうすると、更に、税務署は相続人の財産を把握していくことになります。
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被相続人が死亡した場合、故人は確定申告が出来ませんので、相続人が代わって確定申告をしなければなりません。これを「準確定申告」といいます。
●準確定申告の期限
通常、所得税の確定申告は、「1月1日~12月31日までの所得を翌年の2月16日~3月15日」までに行うこととなっています。
しかし準確定申告の場合は、「1月1日~死亡した日までの所得を相続の開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内」に行うこととなっています。
各相続人の確定申告は通常通りとなります。
●誰が?
相続人が1人しかいない場合は、その相続人が行うこととなりますが、2人以上いる場合は原則的に、「各相続人が連署により準確定申告書を提出する」こととなっています。
●どこに?
被相続人の死亡当時の納税地の税務署に申告します。
●準確定申告が必要な場合
1.2ヵ所以上から給与を受けていた場合。
2.給与収入が2000万円を超えていた場合。
3.給与所得や退職所得以外の所得が合計で20万円以上あった場合。
4.医療費控除の対象となる高額の医療費を支払っていた場合(申告したほうが有利)
5.同族会社の役員や親戚などで、給与の他に貸付金の利子、家賃などを受け取って
いた場合。
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もめない相続では、この頃に、凍結された銀行口座の解除をします。
凍結された預貯金の払い戻しを受けるための手続きは次のようになります(ただし、預金を誰にやるか決めてから)。
以下の書類を金融機関に提出することになります。
①金融機関所定の払い戻し請求書
②相続人全員の印鑑証明書
③被相続人の戸籍謄本(出生から死亡までのものすべて)
④各相続人の現在の戸籍謄本
⑤被相続人の預金通帳と届出印
⑥遺産分割協議書(相続人全員が実印で押印)・・・・・・預金を誰に渡すかだけを記載するだけのものでもいい(ただし、口座番号は正確に)
この他、金融機関によっては用意する書類が異なる場合もありますので、直接問い合わせてみましょう。
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3ヶ月位すると、葬儀の整理も終わり、遺産相続の話も出てきます。その中で、「そういえば、葬儀で随分、香典もらったけど、誰が管理している」などの話も出てくることがあります。
多くの葬儀は香典だけでまかないきれないのが実態ですが、細かいことを言う人もいるので、確認しておきます。
【誰のものか】
人が死亡すると香典を贈るのが習慣です。これは、葬儀は費用がかさむので、葬儀費用の一部に当てて下さいというもので、相互扶助の精神からでたものです。
香典の贈り先は、一般に、喪主と考えられるので、喪主がもらっていいでしょう。
【税金はかかかるか】
贈与税は、贈与を受けたすべての財産に対して課税することを原則としています。しかし香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞などのための金品で、社会通念上相当と認められるものは、贈与税が課税されないことになっています。つまり、非課税です。
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他家に嫁いだ相続人の中には、もらう遺産は少なくてもいいから、相続トラブルに巻き込まれたくないという人もいます。
そのような人の多くは、被相続人の死後3ヶ月位までに、遺産を分割してあげることがいいでしょう。
他家に嫁いだ相続人の場合、預金の分割を望むことが多いので、いくら位欲しいのか聞いてみましょう。被相続人の預金でまかなえるのか、他の相続人の同意が得られるのか検討してみましょう。
被相続人の預金でまかなえ、かつ、他の相続人の同意がえられたら、後で述べる「遺産分割協議書」(この遺産分割協議書は全財産の分割が済まないと書けない。1枚しかないと考えている人がいますが、そうではありません。部分的に遺産分割協議が整えば、整った先から作っていっていいのです。そのため、1枚ではなく、数枚作ってもいいのです)を作りましょう。
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相続トラブルが発生して、仲が良かった親戚関係がおかしくなったという話も聞きます。親戚関係のトラブルは、赤の他人同士の係争よりも根深く、解決までに長くかかってしまいます。できれば、相続でトラブルにならないように、注意をしながら、相談をしていきましょう。
その際、次のことには注意してください。
(一度決めたことを蒸し返さない)
「自分の相続分よりアイツのほうがいいモノを貰ってる」とか「以前、現金は放棄して、土地をもらうと言ったが、やはり、俺も1,000万円欲しい」とか、一度決めたことを蒸し返してはいけません。そうしないと収拾がつかなくなり、いつまで経っても紛糾したまま、ということにもなりかねません。
(頑なになり過ぎない)
相続の相談を受けていて、「納得できません!」という言葉をよく聞きます。よくよく聞いてみると、「納得できない」という相手方に対しての、感情的な部分が多くを占めているようです。
感情的な対立や頑なになって、相手方の人格に対して攻撃することはやめて、迅速に相続手続を進めていくことが、相続をもめさせないための対策、といえるでしょう。
(幹事役を決める)
遺産分割協議のもめる原因の一つには、幹事役(仕切役)の不在があげられます。相続人各人の意見を交通整理して、協議全体を取り仕切る人物を決めます。この幹事役は、相続人の中から選んでもいいのですが、利害の対立が浮き彫りになる危険性も秘めています。そのため、親戚の中で人望が厚く、相続人になっていない人に骨を折ってもらうことも必要です。
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3ケ月位経つと、相続でもめ始めることがあります。俺はあれを相続するとか、私はこれというように言い出すことがあります。確かに、相続人個々人が被相続人(故人)の思い出・形成した資産を小さくしないようにとの想いがあるようです。
中でも、墓所は誰が守るか、誰の資産になるのかでもめるケースがあるようです。田舎を離れ都会暮らしをしている人が「俺が守る」といって仕方がないです。
これについては、民法897条(祭祀共用物の承継)というのがあって、系譜・祭具及び墳墓の所有権は、前条の規定にかかわらず、慣習に従って祖先の祭祀 を主宰すべき者がこれを承継する。但し、被相続人の指定に従って祖先の祭祀を主宰 すべき者があるときは、その者がこれを承継する、と決まっています。
つまり、先祖供養をする人がお墓・仏壇を守りなさい。その所有は、先祖供養する人ですよ、ということを規定しています。
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相続財産はいずれ、所有権者を明らかにするため、分割されます。しかし、死後3ヶ月後位では、相続財産の分割が行われないことが多いです。
しかし、もし、故人がアパートやマンションを経営していたら、その収入は誰のものになるのでしょうか?もし、マンションの住民から、電気の修理を依頼されたら、誰が管理するのでしょうか。
民法 第918条は
『 相続人は、その固有財産におけると同一の注意を以て、相続財産を管理しなければならない。但し、承認又は放棄をしたときは、この限りでない。』
と規定しています。
相続人が確定するまで、暫定的に、相続人全員で管理します。後日、相続人が確定したらその人が経費の精算をします。もし、財産放棄した人がいれば相続した人が、家賃を受けとったり、電気の修理代を払ったら、相続人に請求することになります。
このように、ちょっと複雑な書き方をしましたが、日常の常識的な扱い(相続放棄しようとする人は相続財産に関わらない。相続しようとする人は、相続財産の手入れをする。)で対応すれば、問題はありません。
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相続開始後、自筆の遺言書を発見した場合には、遺言書を勝手に開封できません。自筆の遺言書は、家庭裁判所にて「遺言書検認手続」を受け、家庭裁判所で相続人立会いのもと、開封することが必要です。封印された遺言書を勝手に開封すると5万円以下の過料が課せられます。
検認は、遺言書の存在をはっきりさせ、内容を確認することで偽造や変造を防ぐことにあります。
検認手続は、申立をしてから裁判所で指定される検認期日(=裁判所において開封する日)まで約1ヶ月ほど間隔があり、場合によっては2ヶ月以上かかることもあり、遺言内容の実現にはかなりの時間を要することになります。
【家庭裁判所への遺言書検認手続き】
●申立人 遺言書の保管者、遺言書を発見した相続人
●管轄 被相続人の最後の住所地
●手数料等 遺言書(封書の場合は封書)1通ごとに収入印紙800円と郵便切手
●必要書類 申立人・相続人全員の戸籍謄本、遺言者(被相続人)の出生まで遡った戸籍謄本、 遺言書
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死後3ヶ月位経つと、遺産分割を始める方が多いようです。この際、自宅にある金庫や貸金庫を開けることになります。ここで、後日、「あいつが勝手に金庫を開けて、中にあった株券を持ち出した」などと言われないように、相続人全員で立ち会ってから、金庫を開けるようにしましょう。
●貸金庫
多くの銀行は内規等で、被相続人の戸籍謄本、相続人全員が署名した開扉依頼書と全員の印鑑証明書などの提出を求め、これらの提出があって、初めて開扉に応じます。これは、相続人間のトラブルを回避するためです。
全員の同意が得られない場合、相続人としては、銀行に開扉の事情を説明し、中身を持ち出さないことを宣言し、行員立会いもので開扉の交渉をするか、それでも、銀行に受け入れてもらえない場合には、公証人に依頼し、公証人の立会いを条件に開扉交渉をすることになります。
また、金庫を開けたら、遺言が出てくることが稀にありますが、この扱いは別の機会にします。
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四十九日が過ぎ、死後3ヶ月位になると、相続の問題が発生し出す時期です。このようなケースはどう考えたらいいのでしょう?
【ケース】
父が亡くなり、私が借地権を相続することになりました。相続に当たり地主の承諾は必要ですか。地主は契約書の書換えと、名義書換料を要求してきています。
【対応策】
借地権も他の遺産と同様に法的に当然相続人が相続します。これは、親の死亡と同時に発生するものです。そのため、地主との賃貸借契約もそのまま引き継がれます。地主の承諾は必要ありません。
このケースでは、相続で借地権を譲り受けたので、法的には、名義書換の問題は発生しません。名義書換料要求は不当であり、拒否しても何ら問題はありません。勿論、契約書を新しく作り直す必要もないので、今まで通りでいいです。地主に「私が相続人になりました」(分割協議が整ってから)と通知すればそれでいいのです。分割協議が整うまでは、代表者を立てればいいでしょう。
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財産より債務が明らかに多い場合には、相続放棄をすればよいのですが、どちらが多いかわからない場合があります。こうした場合に、相続した債務を相続した財産から弁済し、債務超過の場合は相続人固有の財産で弁済する責任を負わない、というのが限定承認です。清算の結果残余財産があれば、相続人に帰属することになります。
例えば、3000万円の財産と4000万円の借金があった場合は、3000万円の財産を全て借金の返済にあて、不足分の1000万円については、返済の義務はなくなります。
逆に、4000万円の財産と3000万円の借金があった場合は、まず、3000万円の借金を返済して、残りの1000万円は相続人が受け取ることができます。
●申述人
相続人全員が共同して行う必要があります。
●申述期間
申述は相続の開始があったことを知ったときから3か月以内にします。
●申述先
被相続人の最後の住所地の家庭裁判所
●申立てに必要な書類
* 収入印紙800円
* 連絡用の郵便切手(申立てされる家庭裁判所へ確認してください。)
●申立てに必要な書類
* 相続の限定承認の申述書1通
* 申述人の戸籍謄本1通
* 被相続人の戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本(出生から死亡までのすべての戸籍謄本),住民票の除票各1通
* 財産目録1通
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限定承認手続では、相続財産管理人の選任や財産目録の作成、公告手続や債権者への返済など複雑な手続を行わなければなりません。申立をする際は、事前に弁護士や司法書士などの専門家に相談したほうがいいでしょう。
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「親戚から説得されて相続放棄をしたが、撤回できないか?」
こういうご相談を受けることがあります。しかし、家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出し、相続放棄が認められ、「相続放棄陳述受理証明書」が交付された場合は、原則的に相続放棄の撤回は認められないのが原則です。
相続放棄の撤回が認められないのは、債務が多いと思って相続放棄したけれど、その後、実は産が多かったことが分かったからといって、相続放棄の撤回を認めると、その他の相続人や債権者に多大な迷惑をかけることとなるからです。
ただ、例外的に、次の場合には相続放棄の撤回はできますが、かなり厳しいと思った方がいいでしょう。
(相続放棄の撤回が例外的に認められる場合)
・他の相続人によって脅迫されて相続放棄した
・詐欺によって相続放棄した
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「私は他家にお嫁に行ったし、実家の農家は兄がやるから、お母さんが健在なうちに相続放棄をしておこう」
こう考える人がいるかもしれませんが、親御さんがまだ存命の内の遺産分割に関する約束は全て無効です。また、相続開始前の相続放棄にはできませんので、たとえ、兄弟間の相続放棄などの書類を作っていても、それは無効です。
お嫁に行った人にとっては面倒ですが、相続後3ヶ月以内に、相続放棄の手続を踏んで頂くしかありません。
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借金など債務が財産を超えるため法定相続人全員が相続放棄すると、事実上相続人はいないことになり(相続人の不存在)、債権者など利害関係人は家庭裁判所に相続財産管理人の申立を行い、相続財産管理人は債権者等に債務を支払うなど清算を行います。
清算によっても処分されなかった相続財産は国庫に帰属することになります。
●申立人
被相続人の債権者,特定遺贈を受けた者,特別縁故者など
●申立先
被相続人の最後の住所地の家庭裁判所
●申立てに必要な費用
* 収入印紙800円
* 連絡用の郵便切手(申立てされる家庭裁判所へ確認してください。)
* 官報公告料3670円
●申立てに必要な書類
* 申立書1通
* 申立人の戸籍謄本1通
* 被相続人の戸籍(除籍,改製原戸籍)謄本(出生から死亡までのすべての戸籍謄本),住民票の除票各1通
* 相続人(被相続人より先に死亡した者を含む。)全員の戸籍謄本各1通
* 相続人全員の相続放棄申述受理証明書(相続人全員が相続放棄をした場合)
* 利害関係を証する資料
* 相続関係図
* 財産目録1通
* 不動産登記簿謄本1通
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相続トラブルに巻き込まれたくない、故人の借金が多く相続人が負担しきれない場合には相続放棄という手続を取ります。
相続放棄というと、親・兄弟間や故人の債権者に「私、相続を放棄しました」と言ったり、念書を取ればいいと思いがちですが、実は、これでは相続放棄にはなりません。
民法に規定している手続を取らないと、相続放棄にはならないので、注意が必要です。先の「相続とは何か?」で記述したように、相続は死亡届の有無に関わらず、人が亡くなると、当然に相続が開始することになっています。このため、親・兄弟間や故人の債権者に「私、相続を放棄しました」と言ったり、念書だけでは、他の債権者や第三者は相続が放棄されたのか分からず、相続人のところへ故人の債権の取立てに来てしまいます。そうならないように、法律で手続を規定しています。
●相続放棄の手続き
相続放棄は各相続人が、「自分が相続人になったことを知った時から3ヶ月以内」に、家庭裁判所に対して「相続放棄申述書」を提出しなければならず、家庭裁判所に認められれば、「相続放棄陳述受理証明書」が交付され、この証明書が相続放棄をした証明となるのです。
※3ヶ月以内に相続放棄をするかどうか決めることが出来ない特別の事情がある場合は、家庭裁判所に、「相続放棄のための申述期間延長」を申請することにより、この3ヶ月の期間を延長してもらえる場合があります。
●どこの家庭裁判所に?
・被相続人の住所地の家庭裁判所
・相続開始地の家庭裁判所
裁判所というと、少々緊張しますが、家庭裁判所なので、雰囲気は穏やかです。
●相続放棄の申述に必要となる主な書類等
・申述人(相続人)の戸籍謄本
・被相続人の戸籍謄本等(除籍簿)
・被相続人の住民票の除票
・収入印紙(1人800円)
・返信用の郵便切手(1人400円分)
・申述人(相続人)の認印
相続放棄申述書を家庭裁判所に提出後、1週間ほどで家庭裁判所から「相続放棄の申述についての照会書」が郵送されてきます。
この照会書にいくつか質問事項がありますので、それに回答し、家庭裁判所に返送し、問題なければ、「相続放棄陳述受理証明書」が家庭裁判所から郵送され、これによって相続放棄が認められたことになります。
もしも債権者から債務の負担を迫られた場合は、この「相続放棄陳述受理証明書」を見せれば、それ以降、債務の負担を迫られることはありません。
※相続放棄申述書の提出は、原則として、直接、家庭裁判所に行かなくても、「郵送」でも可能となっています
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以下の項目は、本来的には、被相続人が存命の時の話ですが、相続欠格者との関連で、ここで述べます。
この制度は、「相続人の廃除」という制度で、被相続人の意思で相続権を奪う制度です。これは次のいずれかに該当する場合です。
①被相続人に対して虐待をし、もしくは重大な侮辱を加えたとき
②その他のいちじるしい非行のあったとき
このような場合、被相続人と相続人の間に、何らの信頼関係・協調関係がなく、「赤の他人」に近い関係です。こういう点から、相続を廃除できるのです。
この廃除は、被相続人が家庭裁判所に申立て、審判をしてもらいます。
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被相続人(故人)と親子関係だから、何があっても、相続人になれるとかいうと違います。
次の場合には、相続人になれません。これを「相続欠格者」と言います(民法891条)
①故意に被相続人または先順位もしくは同順位の相続人を殺し、または殺そうとして刑に罰せられた者
②被相続人が殺されたことを知っていて、告訴、告発をしなかった者
③詐欺、脅迫によって、被相続人が相続に関する遺言をさせ、または遺言を取消させ、また、これを変更するのを妨げた者
④相続に関する被相続人の遺言書を偽造、変造、破棄隠匿した者
この欠格事由に該当する場合、何らの手続もせずに、相続権を失います。
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法定相続分で注意すべき事項があります。
(1)財産分割で、配偶者1/2、子1/2と定めていても、これと異なる財産分割をすることが可能です。例えば、次男は東京に行っていて、田舎の土地(5,000万円相当)を相続せず、250万円のお金をもらうことで、財産分割とする。こういうことも可能です。
(2)もし、被相続人(故人)に借金があれば、貸主は、法定相続分に応じて、相続人に返済を迫ることができます。例えば、4,000万円の借金があったします。配偶者、子供2人がいるとします。このとき、子供の一人に、4,000万円÷4=1,000万円を返済してと言うことは可能です。
もし、(2)のような時に、子供が嫁いでいた場合には、無用な相続トラブルに巻き込まれるおそれもあります。相続資産は要らないけど、無用な相続トラブルに巻き込まれたくない場合、「相続放棄」、「限定承認」と呼ばれるものがあります。
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相続の手続に移る前に、基本的なところをおさらいしておきます。
故人に遺言がない場合、民法の規定に従い遺産相続が行われます。(法定相続)
民法には、どのような親族構成の場合、誰が、どれだけの割合で遺産を相続をするのかが規定されています。
民法で定められた相続人を法定相続人といい、配偶者相続人、血族相続人に分かれます。
■配偶者
戸籍上の配偶者。内縁関係では相続人になることはできません。
■血族相続人
血族相続人には相続についての優先順位があります。
• 1位、直系卑属
被相続人の子供、孫、ひ孫
• 2位、直系尊属
被相続人の両親、祖父母
• 3位、兄弟姉妹
被相続人の兄弟姉妹
優先順位1位がいないとき→2位、2位もいないとき→3位が相続人となります。
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相続は、故人の財産などの様々な権利・義務を他の人が包括的に承継することです。
相続は次の特徴があります。
①何もしなければ、相続人になる
相続というと、死亡届を役所に出しにいったりしますが、これは死亡を役所に届けているにすぎません。民法上は、死亡届の有無に関わらず、人が亡くなると、当然に相続が開始することになっています。
②全財産を一括引き継ぐ
相続すると、故人が持っていた財産を全部誰かが引き継ぎます。一般には、財産とみなされない、故人の衣服・壊れているテレビなども財産になります。
③義務も引き継ぐ
相続がおこると、故人の財産だけでなく、債務(借金)も相続されます。もし、親・兄弟の借金が多ければ、相続人が困るので、「相続放棄」、「限定承認」という制度があります。
④相続は一定の間柄で
アメリカでは、親・兄弟がいないで亡くなると、いかに血縁が薄くとも相続人になることができます。しかし、日本では、一定の間柄に人に限られます。
⑤死亡したらすぐに始まる
戦前は、「隠居」という制度があり、隠居により相続が行われていました。しかし、戦後は死亡の時にしか、相続は行われなくなりました。
⑥財産を引き継ぐ
戦前は家督相続といって、家名や祭祀、家長権の相続がありましたが、戦後は相続の対象は財産(及び債務)のみが相続の対象となっています。簡単に言うと、田中家を継ぐということはなく、田中 一郎(故人)の財産を引き継ぐということです。
以上のような特徴を知っていると、トラブルを未然に防止できたり、トラブルに対応できます。
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相続というと、「お金持ちの話で、うちには関係ない」と思いがちです。しかし、必ずしもそうとはいえないケースもあります。
【ケース1】
田中さんは3年前まで洋服店を営んでいましたが、事業不振のため2,000万円の借金を抱え、店をたたみました。その後、田中さんは亡くなりました。田中さんには、奥さん、子供2人がいます。
債権者は四十九日明けから、奥さん、子供に借金の返済を迫るようになりました。どう対処したらいいのでしょうか?
【ケース2】
佐藤さんは、ビル1棟(時価1億円)、預金1,000万円、銀行に対する債務4,000万円を有していました。佐藤さんが亡くなり、子供三人(長男、長女、次女)が相続しました。
長男がビルを取得し、長女と次女は500万円づつもらい、残りの預金は銀行に対する支払いに当てました。それでも借金が3,000万円残りました。この3,000万円は長男が返済する予定です。
先日、銀行から長女宛てに、3,000万円の1/3の1,000万円の支払い請求がありました。長女への請求は正当な者ですか?
【ケース3】
松下さんは、20年返済の住宅ローンを組んでいましたが、未返済のローン1,250万円が残っています。相続人は、奥さんと子供です。返済義務は誰にあるのですか?
【ケース2】は資産家ケースですが、【ケース1】、【ケース3】はよくありがちなケースです。
【ケース1】は相続放棄をすればいいケース、【ケース2】は銀行の請求は正当なものです。銀行と交渉する必要があるケースです。【ケース3】は、返済義務は奥さんと子供にあります。
この章では、「相続とはなにか?」、「3ヶ月以内に対応すること」は何かについて記述します。
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相続にあたり、個人に線香をあげさせてもらうために、仏壇を拝ませて頂くことがあります。その際、本来、本尊が位置するべきところに、ご位牌が置いてあったり、遺影が置かれたりすることがあります。
宗派により、仏壇の飾り方は異なりますが、これでは大きな間違いになってしまいます。本来、仏壇は仏を祀り、仏の弟子となったご先祖を祀るものです。仏が師で先祖が弟子のはずですが、本尊を置くべきところに、先祖の位牌を置いてしまうと、上下の関係が逆になってしまいます。
各宗派・地域により仏壇の飾り方は異なるので、最終的には菩提寺や仏壇屋さんにお聞きになって頂くとして、一般的には次のようになっています。
1)仏飯器: ご飯を盛る器
2)過去帳:亡くなった方の法名や俗名を記録しておく帳面、見台 過去帳を置く台。
3)華鋲:樒の葉をさして香水としてお供えします。
4)供笥(くげ):真宗用の仏具でお供え物を乗せる台。
5)高杯:真宗ではおもに果物をお供えする供物台。他宗ではお菓子も含める。
6)香炉と香炉台:最近では使用することが少ないようです。
7)ロウソク立
8)花瓶
9)瓔珞:本尊前を飾る道具。
10)電気燈籠:本尊や内陣を明るく照らすためのもの。
11)線香立:真宗では線香を適当な長さにきって横に寝かせます。他宗は線香を立てます。
12)御文章箱:蓮如上人の著した御文章本を納める箱。真宗のみ使用。
13)焼香セット:焼香入れと焼香を炊くところを一つにまとめたもの。
14)鈴(りん(きん)):お経を読むときに使用。
15)戸帳
16)電気ロウソク
17)打敷:金襴製の三角の布。行事の時に使用。
18)金欄座布団:仏事用の座布団。
19)イグサ座布団:夏の仏事用座布団。
20)切手盆:お布施などを置くお盆です。
21)輪灯:油を入れ火を灯し仏壇内を明るくする灯火具。
22)経卓:本来は経本を載せる台です。
23)献茶セット:ご本尊、ご先祖さまに捧げる献茶です。
24)ロウソク消し
25)ロウソク線香入
26)常花:現世にありながら清く美しくいきるべしとして金蓮華を飾ります
27)位牌
28)仏膳椀:禅宗や真言宗等で使用。
29)段盛:団子、お菓子等のお供えを盛る台
30)鉦鋙(鉦吾):称名の際にT字型の撞木(しゅもく)で叩きます。
31)木魚:読経の際、調子をとるために叩きます。
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